2023年12月26日
みさとが大切にしていること~2023年を振り返って~
今年は「美里住建が大切にしていること」に向き合う1年でした。
これまで出逢ったお施主さまや家づくりを通じて、
「世代を超えて一緒に育む家づくり」が私たちの役目だと考えました。
丁寧に造った家は、長く住み続けることができます。
古くなった家ももう一度手を加えることで、趣(味)のある空間に生まれ変わります。
親世代だけが満足するのではなく、
その子・孫の代が笑顔で住み続けられる家づくりに挑戦していきます。
わが家への愛着が、その土地(地域)を大切に思う気持ちに繋がれば嬉しいです。
みさとは、今後も家づくりを通して、皆さまの住むまちが「美しい里」になるよう努めてまいります。

2023年09月22日
田舎の風景
今から33年前、会社設立にあたり屋号を考えていた時のこと。
ダンナはかねてより「住建」とつく社名が良いと言っていて、
○○住建、▵▵住建、××住建・・・みさと、みさと住建、ダンナがボソッと口にしました。
「里を美しく」という思いを込めて美里住建。
それから何年か経って、後付けではあるけど、
「美しい里に住まいを建てる」というキャッチコピーを作りました。
電話で社名を伝えるときやその由来を聞かれたとき、一発で理解してくれるので。
(奥さんの名前ですか。娘さんの名前ですか。とよく聞かれた。)
で、長年「美しい里」で通してきたのだけど、
最近になって、「里を美しく」と言ったダンナの言葉がやけに気になる。
というのは、近頃、すごく空き家と荒地が増えたと感じるから。
昔は当たり前だった見渡す限りの田んぼも、最近は雑草が生えていたり、
水を張った農地を多く見かけるようになりました。
田舎の当たり前の風景は、そこに住む人がその土地をしっかり守っているから。
だから田舎は美しいのだと痛感しました。
少子化・高齢化・過疎化。「美しい里」が当たり前ではないかもしれないと思ったとき、
33年前のダンナの「里を美しく」という考えに妙に納得してしまった。
家を造るだけでは里は美しくならない。
そこに住む人がいて、守る人がいるから、家に明かりが灯り、田畑で作物が穫れる。
黄色に色づく稲穂も、黄緑色の茶畑も、色とりどりの野菜や果物も、
とても貴重な風景であることにもう一度着目すべきだと思った。
2022年08月06日
~リフォーム(菊川市)より~
昨年、菊川市のリフォームでお世話になったIさんから、
エアコン撤去と換気扇交換のご依頼を受けたので行ってきました。
昨年、中古住宅を購入し、京都府から移住した2人の子を持つ30代のご夫婦です。
広い敷地、目の前には山が広がるのどかな風景、築40年ほどの平屋の和風住宅。
8時30分、私と電気屋さんが到着するとビニールプールにタープテントを立てて、
お子さんが水遊びをしていました。
親戚の子を含む4人のお子さんと、近くで見守るお父さん、お母さん。
すごくいい光景に目じりも下がりました。
誰に気兼ねをすることもない、豊かな自然の中でお子さんたちはすくすくと成長していました。
器用なご主人はDIYで玄関の踏台を作り、垂木が見える軒裏の塗装に着手していました。
若いうちに土地を探して新築し、長期ローンを組むという考え方とは別に、
中古住宅を購入して、できるだけ返済額や返済期間を抑えるという考え。
窮屈なローン生活より、ゆとりある田舎暮らしを求める方が増えたように思います。
島田市の空き家率は10%を超えました。
それはどこの地域でも、今後ますます増加の一途をたどります。
空き家を活かし、住む人の心が豊かであれば、それは家にとっても人にとっても良いことで、
そんな考え方が当たり前になるといいと思います

2022年08月05日
~ログハウスリノベーションより~
昨年、川根本町ログハウスリノベーションでお世話になったNさんにBBQに誘っていただきました。
まだ30代前半の若いご夫婦。
一昨年の8月にお問い合わせをいただき、着工は昨年8月。
追加や変更はあったものの、引き渡しが12月初め、という超ロングな工事になってしまった
にもかかわらず、Nさんは快く待ってくださり、申しわけないやらありがたいやらでした。
季節は冬から春、そして夏へ移り変わり、BBQにはもってこいの季節に、
山あり、川あり、ログハウスあり、という申し分のないロケーション。
工事中はしなかったお話もたくさんでき、とても楽しい時間でした。
色々とわがままを言ったけど最高のリノベーションをしてもらって本当に良かった。
わがままは全てみさとさんが何とかしてくれると思った。
何一つ後悔のない家、と言っていただけたことは、私たちにとって最高のよろこびです。
問い合わせから入居まで15カ月、普通ならいい加減しびれを切らして怒ってしまうだろう。
けれども、そんな魔法のような言葉をかけられ、その気になった私はまた頑張れそう

初めてのログハウスは美里住建にとって忘れられない施工になりました


2021年11月10日
実家が空き家になる時
少し前、静岡県東部にお住まいの50代女性から、相続した家のご相談がありました。
その後、県外に住む50代男性から同様のご相談を受けました。
ご両親が他界して、空き家となった実家を今後どうしよう、ということですが、
自分たちには持ち家がある、親の家は田舎にある、子どもたちは独立している、
50代はそんなお年頃。これからそのようなお家がもっと増えると思います。
老朽化した空き家は、なかなか売れず、貸家も同様、現状では借り手が見つからない。
そんな時、リフォームやリノベーションを考えますが、
最近は、セルフビルドやセルフリノベーションのご相談を受けることも増えました。
私も同じ50代。80代の実母が一人暮らしをしています。母屋と離れがあります。
そう遠くない将来、実家をどうしよう、という問題に直面することになります。

2021年07月09日
現場は楽しく気持ちよく・・・
現場は楽しく・・・と言うと気楽に聞こえますが、現場を楽しく気持ちよく進めることは
とても難しいことです。
まず工事が順調でなければなりません。
施主さんとコミュニケーションがしっかり取れ、業者とのやりとりも進行具合を見ながら
的確に行なわなければなりません。
施主さんの気持ちを汲み取り、現場に正しく伝え、ちょうど良いタイミングで発注と納品が
され、きちんとした施工をする。
伝達が上手くいかないと、工事がやり直しになって楽しくなくなります。
現場も気持ちよく進みません。
現場が楽しく、業者や施主さんが笑顔になれば、そこは良い現場となり良い仕事ができます。
マニュアルがなくても、常にそこを意識することが大切だと実感しています

現在進行中のYさん



2021年03月11日
空き家改修工事
施工中の写真はアップしなかったけど、
昨年12月から3ヶ月間、リフォームと耐震補強工事をしていました

リフォーム物件は、ご両親が所有する空き家を、息子さん夫婦がフルリフォームして
住むというもの。施主さんは20代後半~30歳くらい。
耐震補強工事は、15坪ほどの古いアパートを買い取って、耐震補強工事&リノベーション
するというもの。施主さんは20代半ばくらい。
床・壁・天井・外壁を撤去して、スケルトン状態からの造り直し。
住む人が納得する外観・間取り・内装、そして機能性の向上。
リノベというカテゴリができたおかげで、昔よりも選択肢が増えたように思います

魅力ある建物であれば(←ココ大事

人々の暮らしが流動的になれば、住まいも同様に変化します。
建物を上手く活用し続けることは、人にとっても家にとっても良いことだと思います


2021年03月07日
リノベーションを2回するという考え
現在の家は2回リノベーションができる、少し前にそんな話をダンナとしました

昔は古い家にそこまで手をかける(お金をかける)なんてもったいないと言われました。
もう古いんだからいっそ建て替えた方がいい、そんな言葉をよく耳にしました。
なので、私もずっとそう思ってきましたが、今ではリノベーションもだいぶ定着しました。
そして更にもう一度リノベーションできたら素敵だと思いました

ダンナが若い頃に建てたYさんのお宅は、築30年以上、親・子・孫・ひ孫の4世代が暮らす家

新築、増築、3世帯住宅リフォームの計3回、工事をさせていただきました。
手入れの行き届いた2階建て和風住宅。この家をリノベーションしたら何世代が暮らせるだろう

大規模工事になるけれど、リノベは間取り変更も2階を3階にすることも平屋にすることもできる。
店舗にすることも、外観を全く変えてしまうこともできる。
躯体さえしっかりしていれば、住む人のライフスタイルに合わせて家を生まれ変わらせる
ことができる。在来木造住宅は本当に自由度の高い工法だと思う


2021年03月04日
新築・リフォーム・リノベーション
それは長年の夢だったり、必要に迫られて行なったりするものですが、
建築工事というものは滅多にすることではありません。
なので何から始めればいいのかわからない、何を考えればよいのかわからない
という方がほとんどです


楽しみであり、不安であり、面倒であり、厄介なことです。
滅多にやらないことをやるので大変ではありますが、まずは不安・面倒・厄介といった
気持ちを取り除き、打ち合わせが楽しい




するのは私たちの大切な役目。
大変だから、手をかけるから、思いを込めるから、家に対する愛着も湧き、
大切に住もうと思えるものです

知らない間にできていた、あまり記憶に残っていない、というのは少々寂しい気がします。
何年経っても、あの時は、と、お互い懐かしく話ができる、そんな関係でありたいです



2020年10月07日
住宅と介護
わが家のばあちゃんが、突然背中の痛みを訴えてから4年7ヶ月。
脊椎圧迫骨折の痛みから歩行が困難になり、やがて寝たきりになりました。
認知症もあり介護5です。
デイサービス、訪問看護、ショートステイを利用しながら家で暮らしていましたが
先日施設に入所しました。
これからもっと人は長生きになり、介護が必要な人が増えると思います。
今以上に入所が困難になったり、人手不足により受け入れができなくなることも考えられます。
私は介護に関しては全くの素人。でも、建築に携わる私が介護する側になったことで、
介護しやすい家の必要性を考える良い機会となりました。
国も推進する在宅医療と介護。介護する人もされる人もできるだけ負担の少ない家づくりと
環境づくりが大切だと改めて感じました


2020年08月26日
古民家リノベーションの面白さ
川根本町徳山と千頭の古民家リノベーション。
ゲストハウス&カフェバー(ぼけっと)さんによる古民家リノベーション。
3件の古民家を見て、改めてリノベーションの面白さを実感しました

昔の家屋は和室がほとんど。徳山のKさん、千頭のMさん、ぼけっとのSさんのお家もそう。
でもこの3件、住む人の好みやこだわりによって全く違うものになっているということ。
Kさん

大広間から見渡すスペースは和で統一されていますが、ダイニングキッチンは洋風。
寝室はフローリングですが新和風。和洋を組み合わせ、メリハリをつけました。
Mさん

グレーを基調とした柱と梁に、アクセントカラーとしてソルジャーブルーというシックな色をチョイス。
壁と天井を撤去して柱と梁をあらわし、躯体を見せる。高さと奥行きといった空間が楽しめる。
ぼけっとのSさん

古民家の良さを全面に出しつつもカジュアル。奥の通し間は静寂に包まれ、時間が止まったよう。
古民家リノベーションは面白い。なぜならそこに住む人の個性が出るから

2020年08月22日
古いものの良さを知る
長きにわたり行なってきた川根本町徳山の古民家リノベーションが完了し、
今日は施主のKさんと一緒にランチに行ってきました

以前、Kさんが見つけた川根本町青部のゲストハウス&カフェバー(ぼけっと)さん。
ランチのみもOKと知り、Kさんが予約をしてくれました

ランチ後は、川根本町千頭で続行中の大工スクールMさんの古民家見学を予定。
ブログに掲載している千頭の古民家に興味があったというKさんと
施工中の徳山に見学に来てくれたことのあるMさんが初対面します

ぼけっとのオーナーSさんは、数年前に築140年の古民家を購入し、
ご自身でゲストハウスに改装されたすごい方


大工ではないものの、信じられないほど器用でハイセンス。趣味のレベルではないです

そんなわけで、Sさんとも会話が弾み、千頭の古民家見学に一緒に行き、
せっかくなので、Kさんの新居も披露。
それぞれの古民家テイストを目に焼き付けていただいた次第です。
少し前まで全く面識のなかった私たち・・・の貴重な1枚

3人の共通点は古いものを大切にする心と
古民家の良さを知り、壊さず、生かし、残したい、と思う気持ちです。
新しいものが良しとされてきた現代。
でも、そうばかりではない、ということを教えてくれた人たち。
そんな人たちに出会えたことは、私にとって新鮮であり、喜ばしいこと。
全てはブログとホームページから。
ブログを始めなければ絶対に会うことのなかった人たちに感謝

2020年07月10日
仕上工事
古民家リノベーションと店舗兼住宅リノベーションを行なっています

もうじき木工事が終わり、仕上工事に入ります。
この時期から職人さんたちと本格的な打ち合わせが始まり、
資材の発注や施工の確認、電話やメールのやり取りなど、急に慌ただしくなります

昨日は、建具屋さんと古民家(川根本町)・店舗兼住宅(静岡市)の打ち合わせをしました。
大雨により延期していた現地調査も行ない、ようやく製作に向けて動き出せそうです

ものを造るにはたくさん会話をしないといけない。
たくさん会話をしなければものは造れない。
施主さんの思いを聞き、業者に伝え、施工に無理がないか、長期的にみても大丈夫か
そして常に予算と照らし合わせながら考えます。
難しいけどすごくやりがいがあって、何年たっても完璧になれないところもまた面白い・・・
・・・と思う


2020年01月30日
空き家リノベーション2
空き家やリノベーションに対する考え方が変わると同時に、
今まで職人オンリーだった現場に、職人以外の手が加わるようになりました。
以前は新築・リフォームはプロの仕事でした。
けれども最近は不動産屋さん、設計事務所さん、一般のお客さんも現場を手掛ける
ことが増えました。
現在、施工中の現場も、不動産屋さんと設計事務所さんが空き家を購入し、できるところは
自身で施工されています。大工スクールのMさんも空き家を購入して、休日に作業しています。

最近は便利な工具や使いやすい材料が普及して、DIYが身近になりました。
昨年オープンしたおぼろ月さんと、のほほんさんも塗装とオリジナル家具を製作しました。
プロでなくてはならない個所はプロが、仕上工事も100%の仕上がりを求めなければ、
プロでなくても大丈夫。
愛着が湧き、大切に扱い、施工の楽しさと難しさを体験し、良い思い出になったと意外と好評

そんな施工の分担は、ひと昔前はなかったこと。
ただ、リノベーションや耐震リフォームする家は圧倒的に在来木造が多く、
やってはいけないこと、プロとして譲れないところもあるので、そこはプロに任せましょう


ひと昔前は考えられなかった修繕ですが、昔は家庭でやっていました。
農家にはひと通りの道具が揃っていて、小さな小屋を建てたり修繕もしました。
器用なおじさん、もいました。今ほど裕福でなかった時代。できることは自身でやりました。
そういう見方をすれば、ちょっと昔に戻ったような気もします。


2020年01月29日
空き家リノベーション
昨日の午前はリノベ中の現場打ち合わせと新規リノベーションについてのお話合い、
午後は3月から始まるリノベーションの打ち合わせを行ないました

これらのリノベーションは、空き家を購入された方からホームページを通じて
ご依頼いただいた案件です。
古い家は建て替えるしかない、という今までの考え方から、壊すのはもったいない、
古い家を甦らせ、永く住める家にしたい、空き家を上手に活用したい、と考える人が
最近増えてきたように思います。
それは単なる貼り替えや貼り付けの、キレイにするだけのリフォームではなく、
その人のライフスタイルに合わせた家にリノベーションするというもの。
【誰にとっても良い家】ではありません。
住めればいい、キレイであればよい、という考え方から、こうありたい、こんな人生を送りたい、
という思いを込めて家と共に生きる。そんな人たちがこれからもっと増えるといいと思います。
美里住建の理念
古いものの良さを知り活かす事、新しいものを取り入れて伝えていく事。
これに共感し、お問い合わせいただきましたこと、心から感謝いたします


