2023年09月22日
田舎の風景
今から33年前、会社設立にあたり屋号を考えていた時のこと。
ダンナはかねてより「住建」とつく社名が良いと言っていて、
○○住建、▵▵住建、××住建・・・みさと、みさと住建、ダンナがボソッと口にしました。
「里を美しく」という思いを込めて美里住建。
それから何年か経って、後付けではあるけど、
「美しい里に住まいを建てる」というキャッチコピーを作りました。
電話で社名を伝えるときやその由来を聞かれたとき、一発で理解してくれるので。
(奥さんの名前ですか。娘さんの名前ですか。とよく聞かれた。)
で、長年「美しい里」で通してきたのだけど、
最近になって、「里を美しく」と言ったダンナの言葉がやけに気になる。
というのは、近頃、すごく空き家と荒地が増えたと感じるから。
昔は当たり前だった見渡す限りの田んぼも、最近は雑草が生えていたり、
水を張った農地を多く見かけるようになりました。
田舎の当たり前の風景は、そこに住む人がその土地をしっかり守っているから。
だから田舎は美しいのだと痛感しました。
少子化・高齢化・過疎化。「美しい里」が当たり前ではないかもしれないと思ったとき、
33年前のダンナの「里を美しく」という考えに妙に納得してしまった。
家を造るだけでは里は美しくならない。
そこに住む人がいて、守る人がいるから、家に明かりが灯り、田畑で作物が穫れる。
黄色に色づく稲穂も、黄緑色の茶畑も、色とりどりの野菜や果物も、
とても貴重な風景であることにもう一度着目すべきだと思った。