2014年07月12日
間仕切戸修理
4枚の間仕切戸の動きが非常に悪いというお宅から修理を頼まれました。
間仕切戸が動かないときは、2階の重みで鴨居が垂れていることが多いです。
特に鴨居の真ん中あたりが垂れています。
また、基礎が下がったために動かないこともあります。その場合は敷居の両端
が垂れています。

ジャッキで鴨居を上げて4本の建具を取り外し、建具上部を少~し削って高さを
調整しました。戸はちゃんと動くようになりましたが、戸を閉めたときピッタリ閉ま
らず上部に隙間ができてしまいました。基礎が下がっていると思われます。
基礎が下がり敷居の両端が垂れたため、戸を閉めたときに扇のような隙間がで
きたと考えました。この隙間をなくすには、1本の戸に2個ずつついている戸車の
片方を高くしなくてはなりません。戸車と建具との間に支い物(かいもの)をして、
閉じたときに隙間がなくなるよう少しずつ高さ調整をしました。
隙間もなくなり建具の滑りも良くなりました


修理をする際、まず原因が分からなくてはなりません。原因が分かった上で微妙
な切りや削りができなければ直すことかできません。取り替えは簡単だけど既存
のものを活かすにはそれなりの技術が必要です。機械の使えない細かな作業や
人の手で造ったものは相変わらず人の手で直さなければなりません。
けれども最近ではほとんどが既製品や電動工具を使うようになり手作業が少なく
なったため、それに伴って技術を維持・向上させる機会も少なくなってしまったこと
は、今も今後も職人と施主にとって重大な問題です。



